マイトルビンをより優れた医薬品へ
かねてより学習院大学 柳教授が展開されているプロジェクトの一部に化学合成担当として加えていただいておりました。そのご縁もあってこの度、株式会社マイトジェニック様と正式に共同研究契約の締結に至りました。
本共同研究では、これまで同様マイトルビン関連物質の合成とサンプル提供に加え、植物資源の利用方法の開発研究を担当させていただきます。そしてこれを機に、マイトルビンおよび水溶性マイトルビンを土台にした難治性疾患治療薬の開発研究により SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に、そして、貴重な植物資源の有効利用を目指した研究により SDGs目標12:「つくる責任、つかう責任」の達成に向けて貢献できるよう、社会を意識した研究活動を展開していく所存です。
これまで以上にマイトルビン関連物質の創薬研究および植物未利用部位有効利用法開発研究に「楽しみながら全力で」取り組んでまいります。
私たちはこれまでミトコンドリアの機能異常が様々な病気の原因になっていることを明らかにしてきました。今回、ミトコンドリアを活性化する薬剤を探索するためには優秀な有機合成の専門家の協力が必要不可欠であり、成否を決定づける鍵を握っていました。真っ先に頭に浮かんだのは前任の東京薬科大学で同僚であった阿部秀樹先生でした。学習院大学と日本女子大学は目白のご近所さんという偶然も運命を感じずにはいられませんでした。阿部先生は「世の中に役に立つ化合物を作りたいのです。まさにそういうことがやりたかったのです!」と仰って快く引き受けてくださいました。
阿部先生の多大なご協力のおかげですでに予想を遥かに展開を迎えようとしています。今回の共同研究契約をきっかけにさらなる共同研究を加速させ、画期的な研究成果を世界に発信するとともに、病気に苦しむ多くの患者さんのために少しでも早く治療薬を届けたいと切に願っています。
この度、学習院大学 柳研究室とミトコンドリア活性化に関する研究を行っていた、日本女子大学 理学部 阿部研究室 様と共同研究契約を結ばせていただきました。阿部教授には有機合成の技術を利用し、マイトルビンが水溶性になる新規物質を作製していただきました。さらに、マイトルビンのミトコンドリア活性を活かし、学習院大学 柳研究室と共にAMED創薬ブースターでは有機合成の観点からマイトルビンの医薬品へ適した構造の探索や応用研究を行っていただいております。
また、植物の未利用部位からマイトルビンの探索にも力を入れていただき、SDGs17目標における「つくる責任、つかう責任」を通して社会貢献につながる研究になると確信しています。
弊社は生化学と有機合成の研究分野を超えたコラボレーションから生まれる研究の成果を世の中に還元していく所存です。